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日本数学会

2010年度年会・総合講演と企画特別講演
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総合講演 3月25日(木)日吉キャンパス独立館D101号室

15:30-16:30 2010年度日本数学会賞春季賞受賞記念講演
伊山 修(名大多元数理) 整環の表現論―高次元Auslander-Reiten理論―
Abstract・ VideoPresentation
16:45-17:45
岩崎 克則(九大数理)パンルヴェ方程式の代数解析と力学系
概要 パンルヴェ方程式の代数幾何学・モデュライ理論的な展開と, 代数曲面上の双有理写像のエルゴード理論をリーマン・ヒルベルト対応を 介して結びつけ,パンルヴェ第 VI 方程式がもつカオス的な性質を 明らかにする.従来からパンルヴェ方程式の分野では可積分系的な研究が 中心であるが,この講演では異なる側面,すなわち解軌道の複雑さに 焦点を当てた定性力学系的な研究を主題とする.
キーワード パンルヴェ方程式, 代数幾何学, モデュライ空間, モノドロミー, 双有理写像, エルゴード理論
Abstract・ VideoPresentation

企画特別講演 3月24日(水)13:00-14:00 矢上キャンパス

第III会場 特別招待講演(日本応用数理学会)
高田 章
(旭硝子(株)中央研)
企業の中の応用数学--ガラスの研究開発を例として
概要 ガラスを作る手段あるいはガラスの特性を変える手法についての研究には 非常に長い歴史があるにもかかわらず、ガラスの特性を決める肝心要の構造不規則 性については、既に理論体系が構築されている結晶に比べるとまだまだわかっていない 部分が多い。 本論文では、まずいくつかのガラスについて原子構造の配置のトポロジーを比較する。 さらにガラスの原子構造の乱れをエネルギー分布の1次モーメント及び2次モーメントに 関して比較する。今後ガラス材料の原子構造を理解し新しい構造を持ったガラスを 作成するために数学の貢献が期待される。
キーワード ガラス, トポロジー, 分子シミュレーション
第IV 会場
藤木  明(阪大理) コンパクトtwistor 空間―複素多様体として―
概要ツイスター空間の概念は, Penrose が相対論的な時空を記述するための枠組みとして 1960 年代の後半に導入した対象であるが, 1978 に Atiyah-Hitchin-Singer によりリーマン幾何学の枠組みで数学者に理解しやすい形で定式化され, 広く研究されるようになった.ツイスター空間は $3$ 次元複素多様体であり, 自己双対多様体とよばれる向き付けられた oriented $4$次元共形多様体と自然な 1 対 1 対応がある. しかしながら, それらの定義からわかるように, 自己双対多様体, ツイスター空間のどちらをとってもその具体的な構成は, 大変に難しい問題である.今日までに知られているいくつかの構成方法は, どれも極めて興味深いものであるが, 本講演では, いくつかの基本結果を概観した後, 特にDonaldson-Friedman の方法についてやや詳しく解説してみたい.筆者は最近Pontecorvo 氏との共著において, 双曲型ならびに放物型の井上曲面上に反自己双対双エルミート構造を構成したが, これは Joyce の自己双対計量に対しD-F の方法の一般化を適用して得られた結果であり, 他にもまだ適用の可能性があると考えられる.
キーワード ツイスター空間, (反)自己双対計量, Donaldson-Friedman の方法
Abstract・ VideoPresentation

企画特別講演 3月26日(金)13:00-14:00 矢上キャンパス

第III会場
永井 敏隆(広島大理) 走化性方程式の臨界現象
概要 Keller-Segelにより提唱された走化性方程式(または Keller-Segel方程式とも呼ぶ)を空間2次元において考察する.走化性方程式に対する非負解の全質量に関する臨界現象(Childress-Percus予想),全質量がある値(臨界値)より小さければ非負解は時間大域的に存在し,大きければ有限時間で爆発する,について述べる.
キーワード 走化性, 臨界現象
第IV会場
清水 邦夫(慶大理工) 方向統計学における確率分布
概要 環境科学や生態学等において風向や鳥の飛翔方向等の角度を含む観測はさまざまな場面で現れ,そのような観測値のモデル化や統計的解析が望まれることが多々ある.角度を含む観測値の統計解析を扱う学問は総称して方向統計学(Directional Statistics)と呼ばれる.特に単一の角度の場合は、基線からの角度が単位円周上の点と1対1に対応することから,角度確率変数(angular random variable)の分布は円周上の分布(circular distribution)と呼ばれる.また,2つの角度の組はトーラス上の点と見なすことができるので2つの角度からなる確率ベクトルの結合分布は2変量角度分布もしくはトーラス上の分布,角度と直線上の値の組を取る確率ベクトルの結合分布はシリンダー上の分布と呼ばれる.その他にも,実もしくは複素球面上,ディスク上の分布を考えることができ,いずれも実際の観測データのモデル化と考えることができる.ユークリッド空間内に値を取る場合の統計学と同様に,方向統計学においても分布の特徴付け,中心極限定理,無限分解可能性,回帰分析,推定論・検定論,時系列解析,時空間解析,データ解析等のさまざまな問題が考えられるが,本稿では主に方向統計学において現れる確率分布の先行研究および最近の発展について扱っている.
キーワード 円周上の統計学, 球面、トーラス、シリンダー、ディスク上の分布
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第V会場
梅原 雅顕(阪大理) 波面の幾何学―その内的双対性とGauss-Bonnet の定理への応用―
概要  3次元Euclid 空間内の正則曲面を波面と思って,曲面の単位法線ベクトル場の方向への曲面の時間発展を考えると,一定時刻経過後の波面として平行曲面が得られ,一般に特異点を持ちます.そこで頻繁に現れる特異点が「カスプ辺」と「ツバメの尾」です.
 筆者は北大の泉屋氏のホロ球に立脚した双曲空間の曲面の幾何学に触発されて「3次元双曲型空間の平坦な曲面」に現れる特異点に関して,東京電機大学の國分氏,東工大の山田氏,神戸大のラスマン氏,岐阜大の佐治氏等と共同研究を始めました.本講演では,その後,佐治氏,山田氏と一緒に行った波面としての曲面あるいは超曲面に関する筆者等の最近の研究について紹介します.
 特に,Euclid 空間の閉曲面に関する古典的なGauss-Bonnetの定理の波面への拡張の内的定式化の帰結として,波面としての曲面に関する2つのGauss-Bonnet型の公式と,そのGauss写像に関する2つのGauss-Bonnet型の公式と合わせて,合計4個の独立なGauss-Bonnet型の公式が得られます.本講演では,その応用について解説します.
キーワード 特異点をもつ曲面
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企画特別講演 3月27日(土)13:00-14:00 矢上キャンパス

第III会場
越谷 重夫(千葉大理) 群を表現するとは―モジュラー表現論, 現在過去未来
概要 有限群の表現論, 特にモジュラー表現論について話す。群 G のある体 k 上の表現は言い換えれば群代数(群環)kG 上の加群を考えていることと本質的に同じである。この考え方はあの E.Noether(エミー・ネター, 1882--1935)に始まる。複素数体上の有限群の表現論はもう少し古く,1900年前後のR.Dedekind(デデキント, 1831--1916), G.Frobenius(フロベニウス, 1849--1917)に遡る。ただしこの時は、現在我々が学ぶのとは全く逆の順序で, 指標が先に定義されている。モジュラー表現とは, 必ずしも半単純ではない(つまり既約表現の直和で書けているとは限らない)場合を取り扱うものである。有限群のモジュラー表現について, 私独自の視点から話をする予定である。
キーワード 有限群, モジュラー表現, ブルエ予想
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第VI会場
大島 利雄(東大数理) 特殊関数と代数的線形常微分方程式
概要 多項式係数の線形常微分方程式に対し、合流、隣接関係式、Katzのmiddle convolutionについての統一的解釈を与える。方程式の解の積分表示や級数展開もその統一的解釈の一部である。フックス型方程式への応用として、与えられたスペクトル型に対応するuniversal modelの構成を与える。特に、rigidな局所系に対応する見かけの特異点のない単独方程式が構成できるが、その存在はKatzの挙げた未解決問題であった。さらにrigidなフックス型方程式の接続問題の解を具体的に与える。また、我々のFractional calculusによるいくつかの例を示す。
キーワード フックス型微分方程式, middle convolution, 接続問題, 特殊関数, Riemann scheme
Abstract・ VideoPresentation