日本数学会

会報 103

2001年 11月


1.2002年度年会について

 2002年度年会は明治大学駿河台校舎において,下記のとおり行われます.
   場 所: 千代田区神田駿河台1-1 明治大学駿河台校舎
   日 時: 2002年3月28日(木)より3月31日(日)まで
 なお,駐車スペースが全くありませんので,車での来場はお断りします.

a)企画特別講演について

 1997年度年会より,日本数学会の理事会および学術委員会で特別プログラムを組んでいます.これは,大学院生等若い会員が学会に参加してより意義あるものにすることを目的としています.具体的には,年会の第1日,第3日,第4日の3日間,13:00〜14:00の1時間に企画特別講演を複数並行して行います.したがって各分科会,セッションの一般講演,特別講演の通常プログラムは午前中と午後2時以降となります.なお,第2日は従来通り総合講演を行います.

b)講演申込について

 この会で講演することを希望される会員は,2001年度会員名簿にとじこまれている講演申込書に記入してお申込下さい.その際会員番号を必ずご記入下さい.
 数学会では,1995年度日本数学会秋季総合分科会(於東北大学)よりセッション「無限可積分系」を新設致しました.講演の発表,募集はこれまでの分科会と同じように公募形式を取り,アブストラクト集の作成,特別講演も分科会と同様に行われます.講演希望の方は,講演申込書の「希望分科」欄に「無限可積分系」とお書き下さい.
 複数の講演を希望される場合は,題目ごとに一枚の講演申込書を用いて下さい.複数の分科会あるいはセッションにわたる場合は,その分科会名あるいはセッション名を講演申込書の備考欄にご記入下さい.また,OHPの使用を希望される方はその旨講演申込書の備考欄に朱書して下さい.
 なお,大会運営上講演時間及び講演件数を制限させて頂く事もあります.
 予稿(アブストラクト)原稿も,下記の注意に従ってご提出下さい.

講演申込先:
〒214-8571 川崎市多摩区東三田1-1-1
明治大学理工学部
日本数学会年会委員長 稲富 彬 宛
封筒の表面に “講演申込” と朱書のこと.
申込締切 :
12月7日(金)までに申込先に到着するようお送り下さい.
(締切後の追加申し込みは受け付けられません.)
申込件数の制限:
応用数学分科会では,申込件数を1人当たり2件以内とします.
申込用紙 :
各題目ごとに,名簿とじこみの用紙,またはそれと同じ形式のものを用いて下さい.
予稿原稿 :
名簿とじこみの下敷きと同様のフォーマットでお作り下さい.
キ−ワ−ド・分類コ−ド:
函数論,応用数学,統計数学各分科会への講演申込に当っては,それぞれ次の分類コードから選んで講演申込書の備考欄にキ−ワ−ド等を記入して下さい.
函数論分科会:1[1変数函数論] 2[多変数函数論]
応用数学分科会:1[解析系応用数学] 2[離散系応用数学] 3[その他]
統計数学分科会:1[確率論,確率過程論] 2[計画数学] 3[確率分布,標本分布,乱数]
           4[実験計画法] 5[多変量解析] 6[時系列解析]
           7[ノンパラメトリック解析] 8[漸近理論] 9[応用統計]
           10[推測理論](3〜7に含まれないもの) 11[その他]
 上の分類コ−ドは,講演申込数の動向などに応じて改訂を検討することになっておりますので,ご意見を代表評議員(予稿原稿送付先)までお寄せ下さい.
c)予稿集について

 各分科会,セッションとも予稿原稿に従って講演予稿(アブストラクト)集を作ります.

(1)基礎論及び歴史・代数・幾何・函数論・函数方程式論・実函数論・函数解析・ トポロジ−分科会・「無限可積分系」セッション
 これらの分科会,セッションでは提出された原稿をそのままコピ−印刷致します から,名簿とじこみの原稿用紙下敷き(アブストラクト用フォーマット用紙)と同様のフォーマットで黒インク(または黒のボ−ルペン,濃い黒鉛筆,ワープロ)で丁寧にお書き下さい.長さは,名簿とじこみの下敷き表裏両頁(900字)以内です.講演申込と同時にご提出下さい.
(2)統計数学分科会
 統計数学分科会では予稿集の原稿締切は,講演申込の締切と同時ではなく,2002年1月18日(金)と致します.原稿送付の際には講演申込のコピーを添付して下さい.
送り先は,
  〒263-8522 千葉市稲毛区弥生町1
    千葉大学理学部数学・情報数理学研究科 安田 正實 宛
です.提出された原稿をそのままコピ−で印刷致しますから,所定の書式に従い原稿用紙に黒インク(または黒のボ−ルペン,良質の2Bの黒鉛筆)で濃く丁寧にお書き下さい.なお,ワープロ使用の場合には所定の枠に合わせて下さい.書式については,会員名簿の下敷きをご参照下さい.長さは,原稿用紙の表裏頁(900字) 以内です.締切を過ぎて到着した原稿は予稿集に収録できないことがありますからご注意下さい.
(3)応用数学分科会
 応用数学分科会(別記のように申込件数は2件までに制限)では予稿集用の原稿締切は講演申込締切と同時ではなく,2002年1月18日(金)と致します.
送り先は,
  〒606-8502 京都市左京区北白川追分町
    京都大学数理解析研究所 岡本 久 宛
です.提出された原稿は,そのまま原寸でコピー印刷しますから,所定の書式に従い黒インク(又は黒のボールペン,ワープロ)で楷書で丁寧にお書き下さい.なお,書式については会員名簿の下敷きをご参照下さい.長さは,1件当り4頁以内とします.
d)会合の申込について

 各分科会または研究団体で,会合のために部屋の準備を必要とされる場合は,(1)会合の名称,(2)責任者の氏名・連絡先,(3)使用の日時・人数,(4)弁当の有無等を明記した書面を下記に提出下さい.なお,期限後の申込については,会場確保が不可能となる場合もあります.
  申込先:〒214-8571 川崎市多摩区東三田1ー1ー1
        明治大学理工学部数学教室
        日本数学会年会実行委員長 増田 久弥 宛
      封筒の表の面に“会合申込”と朱書のこと.
  申込締切:12月7日(金)必着,申込順を考慮して会場の部屋割りをします.

e)

 「無限可積分系」セッション新設は1995年度第1回評議員会で提案され,第2回評議員会で設置が認められました.このセッションについては,日本数学会理事会の責任において行うものですが,今回の実務的な責任者は尾角正人氏(大阪大学基礎工学研究科)です.

f)

 1997年度年会から引続き行われている企画特別講演の講演者については分科会評議 員,および「無限可積分系」セッション責任者からの推薦をもとに,理事会で決定いたします.なお,アブストラクトは総合講演アブストラクトとあわせて作る予定です.

g)書籍等展示の申し込みについて

 賛助会員で書籍等の展示を希望される場合は申込書2枚(日本数学会理事長宛,大会委員長宛)を12月7日(金)までに下記(展示とりまとめ当番社)へお送り下さい.
  送り先:〒113-0033 文京区本郷5-28-1
      (株)友 隣 社
  電話:03-3814-0275 FAX:03-3814-1156

2.年会,総合分科会における一般講演について

 年会,総合分科会において一般講演ができるのは日本数学会会員に限ります(昭和57年 度の理事会で確認). 講演を申込まれる会員は申込用紙に会員番号を必ずご記入下さい.日本数学会に入会予定の方で講演希望の方は,講演申込用紙にその旨書き添えて下さるとともに,入会手続をして下さい.
 なお,まだ入会していないが講演を希望している方を御存知の会員は,その方に上記のことをお知らせ下さい.

3.学会講演でのOHPの原稿について

 最近数学会の年会や秋季総合分科会での講演でのOHPの使用が多くなってきました.限 られた時間ですから,有効に使うと良い発表ができます.
 一方,得られた成果を全部発表しようとする余り,時間に比べてあまりにたくさんのOH Pシートを準備し,その結果次から次へとシートが変わって,聴衆は何もわからない,とい う逆の効果を生じている講演も少なくありません.また,1枚のシートに小さい字で一杯書 いてあって,前の方でもよく見えないというケースもあります.このような不満が何人かの 会員の方々から寄せられています.
 人にもよりますが,OHPシートは大体3分間に1枚が目安ではないかと思われます.1ページあたりの行数は8行程度が遠くからでも見易いと思います.図表の利用など工夫を 凝らしたシートを準備され,OHPを活用した講演を行うことが結局は最も印象深いのでは ないでしょうか.詳細な数式は予稿集を活用するなどして見たらいかがでしょうか.また,これも人によりますが,OHPシートは手書きの方が読みやすい,ということもあります.
 TeXを利用するときれいなシートができますが,100人を越える教室での発表の効果は 20人程度の研究会の場合とは異なります.予稿集とOHPシートは同じではありません.
 大学院生を初めとする若い会員の皆様にとっては特に大切な発表の場でもありますので, ここにあえてお願いする次第です.

4.2001年度日本数学会各種委員について

 本年度のメモアール編集委員会委員は,次の方々に決定しました(会報102に追加分).

編集委員
  日本数学会メモアール
            柏原  正樹(編集委員長)
            三輪  哲二(編集局長)
            岡本    久(担当理事)
            石井志保子  岡本  和夫
            楠岡  成雄  平良  和昭
            西浦  廉政  野海  正俊
            深谷  賢治  前田  吉昭
            満渕  俊樹  脇本    実
            太田  雅己  小澤    徹
            小林  亮一  坪井    俊
            舟木  直久  宮岡  洋一

5.2001年度日本数学会賞秋季賞の授賞 について

 選考委員会での審査の結果に基づき,森脇淳氏(京都大学大学院理学研究科)が‘アラケロフ幾何の研究’に関する業績により賞に選ばれ,10月4日秋季総合分科会会場で授賞式並びに同氏による‘函数体上のディオファントス幾何−算術的高さ函数の構成−’の記念総合講演が行われました.

6.日本数学会賞建部賢弘賞授賞者について

本賞の第6回にあたる,2001年度受賞者の推薦募集は,会報99号で行いました(「数学通信」第5巻3号).10月2日の記者会見で発表した受賞者と業績は次の8名の方々です.(五十音順,敬称略,所属は受賞時点のものです)

特別賞
伊藤由佳理(東京都立大学大学院理学研究科,助手):Crepant resolution と Mckay 対応
柿沢佳秀(北海道大学大学院経済学研究科,助教授):時系列解析における統計的推測の漸近理論
高岡秀夫(北海道大学大学院理学研究科,助手):高・低周波数法による非線型分散型方程式
日野正訓(京都大学大学院情報学研究科,講師):無限次元空間における確率解析

奨励賞
伊山 修(京都大学大学院理学研究科,学振特別研究員):整環の表現論
牛島 顕(東京工業大学大学院理工学研究科,助手):双曲多様体の標準的分割
河原林健一(慶應義塾大学理工学部・バンダービルト大学,学振特別研究員):グラフ理論における閉路,染色数など
佐藤周友(名古屋大学大学院多元数理科学研究科,助手):数体上の多様体のサイクル写像

7.2001年度秋季総合分科会について(報告)

 標記総合分科会は,10月3日(水)より10月6日(土)まで4日間にわたって,九州大学箱崎キャンパスにおいて開催されました.この会で行われた講演数は,総合講演2,企画特別講演6,特別講演30,一般講演442でした.
 また,10月6日(土)には市民講演会が行われました.

8.2002年度評議員・代議員選挙について

定款・細則に基づいて来年評議員・代議員選挙を以下の日程で行うことを決定しました.

10月 1日 選挙管理委員会立上げ.
10月10日 責任評議員に,次期評議員候補者の推薦依頼状を発送.
11月 9日迄 *各責任評議員は次期評議員候 補者名を選挙管理委員会に通 知する.
          *正会員は正会員25名以上の 連名の推薦書(署名・捺印の こと)を添えて次期評議員候 補者を推薦できる. (細則第11条4項)
          推薦先は日本数学会事務局内選挙管理委員会
11月20日 評議員選挙はがき全会員に発送
12月11日(必着) 評議員選挙投票
12月中   評議員選挙の結果を全評議員と 候補推薦責任者に通知.同時に 支部責任評議員に2001年度 代議員候補者名の推薦を依頼す る.
 1月10日 *代議員候補者の推薦締切.
        *正会員はその属する支部の正会 員10名以上の連名の推薦書(署 名・捺印のこと)を添えて次期 代議員候補者を推薦できる. (細則第14条3項)
        推薦先は日本数学会事務局内選挙管理委員会 (代議員候補者にはあらかじめ了承をとった上 で御推薦下さいますようお願い致します.)
 1月20日 代議員選挙用往復はがきを全会員に発送.
 2月 5日 投票締切.
 2月27日 「数学通信」6巻4号発送
        会報104に,新評議員・代議員名簿を掲載.

注. 代議員の任務は,会員を代表し,評議員とともに理事・理事長・監事を選任することおよび総会に出席することです.

9.2002年度日本数学会賞建部賢弘賞の 募集

下記の要領で第7回建部賢弘賞の推薦募集を行います.
日本数学会賞建部賢弘賞は1998年度より2部門の賞となりました.また2002年度奨励賞について応募要領に変更がありますので御注意下さい.

  1. 日本数学会賞建部賢弘賞
    1. 趣旨・種類
    この賞は,若くして優秀な業 績を上げる等,数学研究の活性化に寄与して いる日本数学会会員を顕彰し,その研究を奨 励する目的で制定するものとする. 日本数学会賞建部賢弘特別賞(以下特別賞 という)及び日本数学会賞建部賢弘奨励賞(以下奨励賞という)の2種類を設ける.
    2. 対象
    特別賞は,特に優秀な業績を挙げた 若い数学者に対し,その業績を顕彰する目的 でこれを授与する. 奨励賞は,極めて若くして優れた業績を挙 げる等,数学研究の活性化に寄与した数学者 に対し,その研究を奨励する目的でこれを授 与する.
    3. 件数
    受賞者は,特別賞については年3名 程度,奨励賞については年5名程度とする.
    4. 選考
    受賞候補者選考は日本数学会賞受賞 候補者選考委員会(以下選考委員会という) が行い,理事長に答申する. 奨励賞候補者選考については,各々の候補 に対し理事長が2名程度のレフェリーを委任 し,選考委員会はその意見を参考にする. 選考委員会については別に定める.
    5. 推薦
    日本数学会会員による自薦,他薦及 び受賞候補推薦委員による推薦を行う. ただし選考委員会委員は推薦を行うことが 出来ない. 推薦についての規定は別に定める.
    6. 決定
    理事長は選考委員会から答申された 受賞候補者について理事会に諮り,受賞者を 決定する.
    7. 授賞
    授賞式は秋季総合分科会において行 う.
  2. 推薦についての規定
    1. 会員は,自分以外の35歳以下の会員を特 別賞に推薦することができる.
    2. 30歳以下の会員は奨励賞に自ら応募する ことができる.また,会員は自分以外の30 歳以下の会員を奨励賞に推薦することができ る.
    3. 種々の困難な状況のもとで数学の研究を続 け,日本数学会の活性化に寄与した会員も建 部賞の対象とする.受賞候補推薦委員は,こ のような会員を特別賞・奨励賞に推薦するこ とができる.この推薦にあたっては被推薦者 の年齢を制限しない.
    4. ここにいう年齢は,当該年度の4月1日付 のものとする.
    5. 本規定の実施は2002年度よりとする.
  3. 提出書類
    1. 2002年度日本数学会賞建部賢弘賞推薦票
    2. 主要論文1編の別刷またはコピー1部
注1)
「2002年度日本数学会賞建部賢弘賞推 薦票」は本誌 86-87頁にあるもの をコピ−して使って下さい.
注2)
2枚目以降には下記の内容を含めて,3枚以内にまとめて提出して下さい.
  1.自薦の場合:これまでの研究の概略 と今後の研究計画,論文リスト
  2.他薦の場合:推薦理由,論文リスト
注3)
締切期限:2002年5月31日(必着)
注4)
封筒に「建部賢弘賞応募」と朱記の上, 日本数学会事務局まで郵送までお送り 下さい.
注5)
今回募集の受賞者の表彰式は,島根大 学における2002年度秋季総合分科 会第2日目9月26日に行う予定です.

10.学術委員会報告

第11回日本数学会国際研究集会 大規模相互作用系に関する確率解析
Stochastic Analysis on Large Scale Interacting Systems
第一回アナウンスメント

 以下の様に第11回日本数学会国際研究集会 (Mathematical Society of Japan,11th International Research Institute) 「大規模相互作用系に関する確率解析」を開催します.

 本研究集会で取り上げられる話題は
・流体力学極限,無限粒子系,均質化(homo- genization),自己拡散,相分離と界面の形成, ランダム媒質
などである.これらの問題の背景には19世紀末に誕生した統計力学がある.統計力学の目標は,多数の原子・分子が複雑にからみあって作る集団,いいかえれば大規模な自由度をもち相互作用のある系を対象とし,それらの運動を基にして様々な物理現象を説明することにある.大規模相互作用系の典型的な例は無限粒子系であり,ランダムな時間発展のメカニズムをもつ場合を含め確率論的手法により構成される.物理現象は,例えば流体の方程式を始めとする非線形方程式によって記述される.したがって,ミクロからマクロへと結ぶスケール極限は標語的に流体力学極限とよばれている.
 流体力学極限の問題は,10数年前にVar-adhan によって確立されたエントロピー法以後,現代確率論において重要な位置を占める に至っている.相互作用のある格子気体・ブ ラウン粒子系,ノイズが加わった Hamilton 系,Ginzburg-Landau モデル等から種々の非線形方程式を導くことが可能になった.
 近年は相分離の問題と関連して実効的界面モデルに関する研究の進展が著しい.エントロピー的反発,濡れ転移,Wulff 形状,Winterbot- tom形状,異方的平均曲率運動の導出,平衡揺動,壁上の界面モデルなどの結果が得られている.本研究集会では,このような問題に関する専門家も海外から多数招聘する予定である.
 この研究集会の報告集は, 日本数学会の Advanced Studies in Pure Mathematicsのシリーズとして刊行される. なお, この研究集会は,日本数学会および数理科学振興会からの補助を受けている.

主催:
日本数学会
会場:
湘南国際村センター,
http://www.shonan-village.co.jp/
開催期間:
2002年7月17日(水)〜7月26日(金)
組織委員会:
舟木 直久(委員長,東京大学) 内山 耕平(東京工業大学),長田 博文(名 古屋大学),吉田 伸生(京都大学), Herbert Spohn(Technische Universitat Mun- chen, Germany), Stefano Olla (Univerite de Cergy-Pontoise, France)
外国人招待講演予定者 (2001年9月現在) :
 Workshop Lecturers (7/17-19):
E. Bolthausen (Universitat Zurich),
G. Papanicolaou (Stanford University),
S.R.S. Varadhan (Courant Institute, New York University)
 Invited Speakers (7/21-26):
L. Bertini (Universita di Roma 1)*
T. Bodineau (Universite Paris 7)
M.F. Chen (Beijing Normal University)
J.-D. Deuschel (Technische Universitat Berlin)*
J. Fritz (Budapest University of Technology and Economics)
G.B. Giacomin (Universite Paris 7)
D. Ioffe (Technion, Israel)
C. Landim (IMPA, Brasil)
S. Olla
M. Pulvirenti (Universita di Roma 1)
F. Rezakhanlou (University of California, Berkeley)
H. Spohn
H.T. Yau (Courant Institute, New York Univer- sity)
O. Zeitouni (Technion, Israel)
(* 交渉中)
関連した研究集会:
京都大学数理解析研究所(Project 研究)短期 共同研究 2002年7月29日(月)〜30日(火)
 責任者 長田博文

(舟木 直久記)

2001年度第10回日本数学会国際研究集会 「代数群と量子群の表現論」 についての報告
(Representation Theory of Algebraic Groups and Quantum Groups)
組織委員会:
庄司 俊明 (委員長,東京理科大 学),柏原 正樹 (京都大学数理解析研究所) 川中 宣明(大阪大学), George Lusztig (MIT, USA),筱田 健一 (上智大学)
主催:
日本数学会
協賛:
数理科学振興会
会場:
上智大学
開催期間:
2001年8月1日(水)〜8月10日(金)
参加者:
173名 (内大学院生(postdoc を含む) 60 名)
国内参加者:
114名 (内大学院生 28名)
国外参加者:
59名 (内大学院生 32名, アメリカ合衆国, ロシア, カナダ,フランス, ドイツ, スイス, デンマーク, オランダ, 英国, チリ, オーストラリア, 中華人民共和国, 韓国 の計13カ国)
問い合わせ先:
・〒278-8510 千葉県野田市山崎2641
   東京理科大学理工学部数学教室
   庄司 俊明
   Tel: 0471-24-1501 (内線 3106)
   Fax: 0471-23-9762 (数学事務室)
   e-mail: shoji@ma.noda.sut.ac.jp
・〒102-8554 東京都千代田区紀尾井町 7-1
   上智大学理工学部数学教室
   筱田 健一
   Tel/Fax: 03-3238-3466
   e-mail: shinoda@mm.sophia.ac.jp

 上記国際研究集会が, 代数群のmodular表現論,量子群の表現論と結晶基底,affine Hecke環の表現論,有限Chevalley群の表現論, 複素鏡映群とそのHecke環の理論など, 代数群と量子群に関連する種々の表現論を主要なテー マとして開催された.
 テーマがかなり絞られていたこともあって,会場を分けることはせず 講演は全て1時間の 招待講演とした. 5名の講演者(S.-J. Kang, 中島啓, G. Lusztig, O. Mathieu, J.C. Jantzen)による各3回の連続講演を含む 29件(39コマ, 国内13名, 国外 16 名)の 講演が行われた.
 本研究集会は,韓国のS.-J. Kang氏による量子群の結晶基底に関する概説講演と共に幕を開けた. そして,中島啓氏の箙多様体とaffine量子群に関する印象的な講演, G. Lusztig氏の affine Hecke環の表現論に関する最新の結果を含む連続講演が参加者の注目を集めた.会期中,内外の研究者によって多方面にわたる最新の結果が発表され,表現論の奥行きの深さとその裾野の広がりを改めて認識させられた.特に,M.Broue 氏による有限 Chevalley 群のmodular表現論と複素鏡映群およびその Hecke環の表現論を関連付ける雄大な構想(Broue の夢と呼ばれている)の進展に関する報告は興味深いものであった.また,気鋭の若手研究者によって代数群の modular 表現に関する先端的な結果が相次いで発表され,会場の興奮が高まった.そして研究集会の最後を飾ったのは,デンマークのJ.C. Jantzen氏による正標数リー環の表現論に関する講演,歴史的発端から,現在の結果,そしてLusztigの予想をめぐる将来の発展へと連なる, 素晴らしい連続講演であった.
 計画段階では 100人程度の参加者を予想していたが,170人を越える内外の研究者の参加を得て研究集会はおおいに盛り上がった.特に, 海外からは予想を越えた反響があり,30人ものpostdoc の学生や大学院生を含む 60 人近い研究者が参加してくれたのは,なによりも嬉しい誤算だった.(直前に会場をより広い教室に変えるなど, 事務局は対応に追われた. また, 一度登録して, 最終的に旅費の問題で参加を取り止めた学生もさらに10人近くあったことを補足しておく.) 会期中は内外の研究者の間で, 活発な研究交流が行われた. 国内の若手研究者も数多く参加した.講演を通じて, 第一線の研究者の息吹きに触れると同時に, 多くの同年代の研究者と親しく交わる機会を持てたことは彼らにとって得がたい経験になったと思われる.
 また,本研究集会には中国,韓国,オーストラリアなど,アジア地区だけで21名の参加者があった. これらの国の研究者との間の交流が進んだのは大きな収穫であった.この集会を機に今後の継続的な研究協力についても考えていくべきだろう.
 日本数学会のAdvanced Studies in Pure Math- ematics のシリーズから本研究集会の報告集が刊行される予定である. 報告集に関する最新情報を含め,研究集会の講演プログラム,講演アブストラクト,最終的な参加者リストについては下記のホームページを参照して下さい.また,そこに開催期間中に撮った数多くの写真も載せてあるので興味のある方は御覧下さい.
 Conference web-page
 http://www.ma.noda.sut.ac.jp/~shoji/iri.html
(庄司俊明記)

(学術委員会委員長 斎藤政彦記)

11.国際交流委員会

 本年度より,次の業務は理事長,もしくは理事会扱いとすることになりました.なお,公募の・についきましては,申請に関する条件,要項などは以前とかわりません.詳しくは日本数学会ホームページ,または数学通信6巻1号をご覧下さい.
  CDE拠出金
  JAMI援助,Oberwolfach会費支払い
  ACM援助(次は2004年)
  MSJ IRI
  ・来日数学者講演援助
  ・国内外研究集会援助

 なお,羽鳥プロジェクトによる招聘研究者の募集は今まで通り国際交流委員会が行います. 募集要項につきましては数学通信6巻1号をご覧下さい.2001年度の羽鳥プロジェクトへの応募者は1名ありましたが,被推薦者の死亡により,取り下げられました.
 以上,詳細,ご不明な点は
  宮岡礼子(国際交流委員会委員長)
  〒102-8554 千代田区紀尾井町7-1
    上智大学理工学部数学教室
    e-mail:r-miyaok@hoffman.cc.sophia.ac.jp
までお問い合わせ下さい. (国際交流委員会委員長 宮岡礼子記)

12.来日数学者講演の援助

 日本数学会では,来日数学者に対して以下の条件で講演の援助を行っております.希望される方は数学会事務局に申請書類をご送付下さい.
 援助対象となる講演の用件と援助における条件は以下の通りです.

  1. 文部科学省,学振,科研費のいずれの援助 もないもの.
  2. 各来日数学者に対する援助は1会計年度に 1回に限る.
  3. 同一年度に複数回申請し,申請が一度採択 された場合,以後の申請の扱いがその年度に おいては不利になる.
  4. 援助を受けた場合には講演終了後,講演記 録をワープロで作成し提出する.

 申請書類には,以下のことを記載して下さい.

  1. 講演者の氏名,所属,職名,年齢
  2. 滞在期間
  3. 渡航費,滞在費の出所
  4. 援助を必要とする理由
  5. 講演予定日時,場所,題目
  6. 世話人の氏名,所属,連絡先,電話番号, Fax 番号,e-mail アドレス
  7. 振込先銀行名,支店名,口座番号,名義人 氏名(フリガナ付)
  8. 講演者についての紹介

13.理数系学会教育問題連絡会報告

 2001年度に入って現在まで次の3回連絡会が開催されました:
   5月21日(月),7月26日(木),9月25日(火).
 この間の主な活動は次のとおりです.

 なお,日本数学会の今年度連絡会委員は次の通りです:
  楠岡成雄(理事長),砂田利一(教育委員長) 望月 清(教育担当理事),浪川幸彦. (連絡会世話人 浪川幸彦記)

14.MSJ Memoirs Vol.11および数学メモアール第2巻発行のお知らせ

MSJ Memoirs Vol.11および数学メモアール第2巻が9月末に発行されました.
  1. MSJ Memoirs Vol.11, 145ページ
    題目
    Interaction of Combinatorics and Reprentation Theory
    著者
    John R. Strembridge
    Jean-Yves Thibon
    Marc A.A.van Leeuwen
    定価
    2,400円(本体価格)
    会員割引価格 1,570円 (消費税と送料310円含む)
  2. 数学メモアール第2巻, 230ページ
    題目
    作用素環と幾何学
    著者
    夏目利一,森吉仁志
    定価
    3,900円(本体価格)
    会員割引価格 2,357円 (消費税と送料310円含む)

 会員の方には会員割引価格があります.会員 の購入申し込みは直接数学会へ郵便振替
口座番号:00150-1-179048
でお願いします.なお,通信欄に購入希望の冊子名と会員番号を記入してくださるよう,お願い致します.会員名簿とじ込みの払込票を利用されても結構です.
 校費,科研費での購入は定価販売になりますので,各書店へお申し込み下さい.
 MSJ Vol.1〜10および数学メモアール第1巻につきましても同様にお申し込み下さい.なお,定価は本体価格であり,会員割引価格は消費税,送料を含んでいます.

MSJ Memoirs:
Vol.1 定価 4,000円,会員割引価格 2,410円
Vol.2 定価 5,800円,会員割引価格 3,385円
Vol.3 定価 2,000円,会員割引価格 1,260円
Vol.4 定価 2,000円, 会員割引価格 1,360円
Vol.5 定価 2,800円,会員割引価格 1,780円
Vol.6 定価 4,000円,会員割引価格 2,410円
Vol.7 定価 4,000円,会員割引価格 2,410円
Vol.8 定価 1,500円, 会員割引価格 1,027円
Vol.9 定価 1,900円,会員割引価格 1,307円
Vol.10 定価 2,500円,会員割引価格 1,622円

数学メモアール:
Vol.1 定価 2,000円,会員割引価格 1,360円

 各巻の著者,題名については後表紙の広告をご覧下さい.

15.新入会員及び退会者について

 2001年10月1日入会者および2001年4月1日から,2001年9月30日までの退会者は下記のとおりです.

[新入会員] 56名
松浦望(東北大情報),川原行人(都立大理), 宿院頼(山梨英和中・高校),藤崎竜也(九大数理),星野貴昭(名城大付属高校),水津薫(島根大総合理工),橋本伊都子(奈良女大理),高橋鋼一(白百合学園高校),葉廣和夫(京大数理研),相場秀弘(東海大理),栗原茂徳(都立大理),鈴木正樹(神戸大自然),柘植直樹(京大理),今隆助(静岡大工),島倉裕樹(東大数理),藤田貴志(京大情報),宮下鋭也(阪大理),玉木大(信州大理),鳥飼尊文(淑徳巣鴨中学高校),坂内健一(東大数理),井上潔司(阪大基礎工),佐藤学(千葉大教育),伊山修(京大理),森永敦樹(名城大理工),西谷篤(名大理),浴本憲(北大理),佐野友二(東工大理工),小幡和佳子(東北大理),依岡輝幸(神戸大自然),水摩陽子(東工大理工),野呂正行(神戸大理),石渡聡(東北大理),出口英生(広島大理),小野肇(東工大理工),井古田亮(東北大理),津田美幸(筑波大数学),今井淳(九大数理),川村友美(東大数理),竹居賢治(阪大基礎工),鳥居猛(福岡大理),水澤靖(早大理工),矢野孝次(京大数理研),池田盛一(国立釧路工業高専),森山哲裕(東大数理),今井隆太(東大数理),藤川英華(東工大理工),佐藤裕子(高崎健康福祉大),安田正大(東大数理),新田一夫(函館工業高専),八野正和(阪大理),高木太一郎(防衛大),山内博(筑波大数学),田中太初(九大数理),樽井要(兵庫県立西宮今津高校),若槻聡(阪大理),高木正実(愛知県立名古屋西高校),

[退会者] 53名
佐久間元敬,平山幸夫,北館陽太郎,冨士直志,竹村由也,鈴木ひろみ,菊池敬一,寅谷正,熊沢俊久,飯田忠司,町頭義朗,郷間知巳,苗木茂雄,小林裕貴,松本茂樹,森下登志也,佐藤隆行,岩本相一,藤本久司,登坂覚,細谷順二,木下健二,小野毅,井上善允,水嶋高正,中川理,山脇教明,栗山義明,石川雄二郎,前原龍二,高野晃,川室圭子,堀之内總一,川居勝夫,宮川強,千葉糺,山田由子,杠顕一郎,奥田二恵,原田剛宇,矢野昭一郎,中本伸治,白川浩,林俊昭,佐藤和子.

 なお,上記の方々の他に次の方々がご逝去により退会されました.
 慎んで哀悼の意を表し,ご冥福をお祈り申し上げます.
斎藤卓三,都島文行,吉岡昭子,永井珠夫,木下道夫,及川譲,高木實,高島巳千雄.

16.会費払込みのお願い

 日頃は会費の払い込みにご協力頂きまして,誠にありがとうございます.
 この度も,下記の通り宜しくお願い致します.

               記

* 後期会費を未払いの方は,12月末日まで にお払い込み下さい.
* 前期会費を未払いの方は, 至急お払い込 み下さい.
◆ ご送金にあたりましては,会員名簿と じこみの会費払込票をご使用下さい.
◆ 学割扱いをご希望の方は,送金毎に, 必ず,在学証明書をお送り下さい.
◆ 高齢会費をご希望の方は書面にてお申 し出下さい(生年月日をご記入下さい).

 2001年度後期会費    9,000円
   学割・高齢(70歳以上)6,000円
 2002年度前期会費    9,000円
   学割・高齢(70歳以上)6,000円

17.名簿について

 2001年度版日本数学会会員名簿を10月30日郵便局より送付いたしました.近々お手元に届くと思います.
 なお,経費等の理由により,会員の少なくない大学等には一括してお送りさせていただきました.当該大学には事務の方々をはじめご迷惑をおかけすると思います.どうぞよろしくお願いいたします.

18.雑誌 '数学' 及び欧文誌‘ジャーナル' のバックナンバーについて

 会報101でお知らせしました‘数学' 及び ‘ジャーナル' の処分につきましては2001年 10月31日をもって締め切らせていただきまし た.ご通知申し上げましたとおり,残部につ いては全て廃棄いたします.
 数学会会員及び読者の皆様のご協力に感謝 いたします.

19.フランス数学会交換会員について

 現在,交換会員協定を結んでいる外国の数 学会のうち,フランス数学会(Societe Mathe- matique de France)への交換会員希望者の会 費を毎年取りまとめてフランスに送金してい ます.
 継続してフランス数学会(SMF)交換会員になられていた方にも,個人宛には通知をお送 り致しませんので,この記事をもってお知ら せとさせていただきます.
 また,新たに交換会員を希望される方もお 申し出下さい.
 交換会員申込みの方は,下記のように2002 年のフランス数学会会費を日本数学会振替口 座に,2001年11月30日(金)までに お振り込み下さい.

            記

  1. 基本会費:4,700円(事務手数料としてお一人につき400円が含まれています.) SMF通常会費の半額 SMF会誌 “Gazette des Mathematiciens” を受領.
  2. 雑誌予約申込み(選択)  以下のSMF発行の雑誌を会員価格で予約できます.
    1. Officiel des Mathematiques: 3,600 yen
    2. Bulletin: 11,628 yen
    3. Memoires: 6,911 yen
    4. Bulletin + Memoires: 18,605 yen
    5. Asterisque 12 numeros: 36,046 yen
    6. Histoire des Mathematiques: 6,744 yen
    7. Panoramas et Syntheses: . 6,977 yen
       以上に加え,手数料(手続郵送料および銀行送金手数料)としてお一人につき400円を頂きます.

 記入例のように書面にて日本数学会事務局に お申し込み下さい.また会費は日本数学会郵便 振替口座にフランス数学会費と通信欄に明記の 上お振り込み下さい.振替用紙は名簿綴じ込み, または郵便局に備え付けの用紙をご利用下さい.

  記入例:




        SMF交換会員申込書





□ a)のみを希望    4,700  円


□ a)+b) :4,700円+


                       □(1)  3,600円


                       □(2) 11,628円


                       □(3)  6,911円


    □にチェック       □(4) 18,605円


                       □(5) 36,046円


                       □(6)  6,744円



                       □(7)  6,977円



               合計金           α 円





☆郵便物送り先住所(ローマ)字





  氏名:





  住所:





会員番号:      氏名              



上記の合計金額α円をご送金下さい.
 また,日本数学会と交換会員協定を結んで いるのは,フランス数学会(SMF)の他,アメリカ数学会(AMS)・ニュージーランド数学会(NzMS)・韓国数学会(KMS)・ロンドン数学会(LMS)・ドイツ数学会(DMV)です.  詳細についてはお問い合わせ下さい.