日本数学会

会報 82

1996年8月


1.1996年度秋季総合分科会における会費徴収について

 上記の通り今回の秋季総合分科会は,9月14日(土)より9月17日(火)まで行われますが,この会期の3日間は銀行の窓口業務が休業します. この期間に会費を徴収することについて,特に安全性の観点から,理事会では検討をしてきました. 結論として,今回の秋季総合分科会会場における会費徴収は行わない,と決め,4月20日の第2回評議員会において了承を得ました. したがいまして,総合分科会の機会に会費を納入される予定の方は名簿とじ込みの振込票をご利用下さいますようお願いいたします.

2.第45回総会について(報告)

 総会は5月25日(土)15時より日本数学会会議室で開かれました.
 正会員数4,967名(定足数828名)のところ委任状提出者を含めて,1,019名の出席がありました.
 理事長が議長となってあらかじめ会員にお知らせした下記の議題をはかり,多数の賛成を得て,原案通り承認可決されました.

  1. 1995年度収支計算書,正味財産増減計算書,貸借対照表,財産目録並びに事業報告承認の件.
  2. 1996年度収支予算書案,事業計画案承認の件.

 また,「関孝和賞」の候補者の推薦を求め,締切日が8月末日であることを述べ,総会は滞りなく終了しました.

3.日本数学会建部賢弘賞の推薦募集について

 会報81号(数学通信創刊号)でお知らせしたとおり,日本数学会では,50周年記念事業として,日本数学会建部賢弘賞を創設いたしました.
 このたび,下記の要領で第1回建部賢弘賞の推薦募集を行います.

I.日本数学会建部賢弘賞

  1. 趣旨
    この賞は,若くして優秀な業績をあげる等の,数学の活性化に寄与している日本数学会会員の研究を奨励する目的で制定すものである.
  2. 件数
    受賞者は毎年10人以下とする.
  3. 選考
    日本数学会建部賢弘賞受賞候補者選考委員会(以下「選考委員会」という)が行う. [この選考委員会は「日本数学会賞春季賞秋季賞受賞候補者選考委員会」と統合する予定]
  4. 推薦
    日本数学会会員による自薦,他薦および「受賞候補推薦委員」による推薦を行う. 推薦についての規定は別に定める.
  5. 決定
    「選考委員会」から答申された受賞候補者について,理事会で決定する.
  6. 授賞
    受賞者の公表は秋季総合分科会において行う.

II.推薦についての規定

  1. 30才以下の会員はこの賞に自ら応募することができる.
  2. 会員は,35才以下の別の会員を推薦することができる.
  3. 受賞候補推薦委員の推薦については年齢を制限しない.なお,ここにいう年齢は,当該年度の4月1日付のものとする.

提出書類

  1. 1996年度日本数学会建部賢弘賞推薦票
  2. 主要論文1編の別刷またはコピー1部
    「1996年度日本数学会建部賢弘賞推薦票」は本誌 p.57-58 にあるものをコピ−して使って下さい.
    2枚目以降には下記の内容を含めて,3枚以内にまとめて提出して下さい.
    1. 自薦の場合:これまでの研究の概略と今後の研究計画,論文リスト
    2. 他薦の場合:推薦理由,論文リスト

締切期限:
1996年8月31日(必着)
注1)
封筒に「建部賢弘賞応募」と朱記の上,日本数学会事務局まで郵送にてお送り下さい.
注2)
今回の授賞者の表彰式は,1996年11月9日の50周年記念講演会にて,日本数学会関孝和賞の授賞式に引き続いて行う予定です.

4.日本数学会50周年によせて

 社団法人日本数学会は1946年6月に設立され,本年50周年を迎えました. 本会創立以来の会員は下記の方々です. この機会をかりて,諸先輩に御礼申し上げるとともに,きたるべき次の50年に向けて,さらなる発展を期したいと思います. (敬称は略させて頂きます)

青木 清  浅井 晃  浅野啓三 東屋五郎
蟻坂仲明  井草準一  井上正雄 井村英夫
伊藤  清  伊藤順一  飯野理一 石川  修
石原忠重  今井 功   彌永昌吉 入江昭二
岩澤健吉  岩村  聯  宇野利雄 浦  太郎
卜部小十郎 小野勝次 小野貴生 小野山卓
爾   大久保覃二郎  大塩 茂  大津賀  信
大槻富之助   大西英一   大野勝寛  大和田
広元   奥川光太郎   奥野忠一   折原正江
吉沢太郎  角谷静夫   春日  隆  亀谷俊司
上野清太郎   工藤弘吉   久合田  弘  国澤
清典  倉西正武  黒田  正  桑垣  煥  小泉
正二  小平邦彦  小松勇作 後藤守邦  佐藤
正次  齋藤利弥  酒井榮一  柴田敏男 下田
節郎  洲之内源一郎  須藤修作  鈴木甚五郎
鈴木通夫   田中専一郎  高島巳千雄  高野
一夫 竹野兵一郎  竹之内 脩  竜沢周雄
土倉  保   筒口正子  寺井彦一  寺田文行
戸谷富之  徳田広太郎  朝長康郎  中江龍夫
中川  浩  中村正弘  永井  治  永尾  汎
西村利男  野中敏雄  濃野隆之  早川康弌
林 知己夫  林   浩  林田  侃  日浦政之
東  照男  一松  信  平賀義彦  深宮政範
福富節男  福原満洲雄  藤原  強 堀井久敏
本田欣哉  本部  均  松本  誠  丸山滋弥
三木良一  皆川多喜造  宮川照郎 宮武  修
村上成一  村瀬鉱司 村田憲太郎  茂木  勇
矢野茂樹  柳原弘毅  山内正憲  山口研次
山口昌哉  小川  久  和田秀三   若菜  薫
渡辺  武.

(社団法人日本数学会理事会)

5.日本数学会50周年記念事業について

 日本数学会は1946年6月2日に,それまでの日本数学物理学会から物理学会と分離して設立され,以後毎年春の年会と秋の総合分科会を開催して今日に至っています. したがって,1996年が創立50周年になりますので,下記のような記念事業を行います.

  1. 秋季総合分科会における記念特別講演
  2. 日本数学会50周年記念講演会開催
  3. 日本数学会建部賢弘賞の創設
  4. 「数学通信」の創刊
  5. 日本数学会のシンボルマークの創定

 事業の内容については,それぞれ別項を御参照ください.
 なお,本年5月に本会理事長あて,群馬県藤岡市と同市教育委員会より,日本数学会関孝和賞受賞者に対して,今後,藤岡市としても顕彰したい旨の申し出がありました. 群馬県藤岡市は関孝和の出生地とされており,同市では関孝和全集の刊行,関孝和の名を付した珠算大会を50年近く主催する,等の活動を行っています.
 日本数学会理事会で検討した結果,この藤岡市からの申し出をお受けすることにしました.
 50周年記念事業の成功のために会員皆様の御協力をお願いいたします.

6.日本数学会50周年記念講演会について

 標記講演会を下記の要領で行いますので,ぜひご参加下さい.

日時:
1996年11月9日13:00 〜 18:00
場所:
東京大学教養学部講堂(900番教室)
〒153 目黒区駒場3ー8ー1
Tel. 03-5454ー#6#9#5#5
主催:
社団法人日本数学会
共催:
群馬県藤岡市
第1部 日本数学会50周年記念式典
13:00 〜 13:30
日本数学会理事長挨拶
関孝和賞について
関孝和賞授賞式
藤岡市長祝辞
建部賢弘賞授賞式
13:30 〜 14:30
日本数学会関孝和賞受賞記念講演
F.Hirzebruch:題未定
第2部 市民講演会
15:00 〜 16:00
講演者未定:和算家,関孝和の人と業績
16:30 〜 17:30
深谷賢治:題未定

 なお,記念講演会終了後同キャンパス内大学院数理科学研究科棟コモンルームで懇親会を行います. 準備の都合上,講演会および懇親会ご出席の方はとじ込みの葉書にて10月26日までにお申し込み下さい. 懇親会の出席については,申し込みされた方に限らせていただきます.

7.関孝和全集の会員特別価格頒布について

 関孝和全集は1974年に大阪教育図書(株)から刊行された後,永らく絶版になっていました. 関孝和賞創設を機会にこれを復刊することができ,数学会会員に特別価格(定価15,000円を10,000円)で頒布しています. 御希望の方は上記振替口座にその旨を明記して御送金下さい(全集送料不要). 180部限定で,6月末日現在までに既に162部の申し込みがありました.

8.日本数学会シンボルマークの募集について

 社団法人日本数学会の50周年を記念して,シンボルマークを公募いたしましたが,期日までに11名の会員の方からの応募がありました.
 シンボルマークは,十分検討の上最終的に理事会で決定し評議員会での了承を得て,公表する予定です.
 応募下さった会員各位にこの場を借りて御礼申し上げます.

9.支部・分科会からのお知らせ

(1) 数学基礎論および歴史分科会

超準解析(NSA)研究集会

日時:
1996年11月14日(木)ー#1#6F|!JEZ!K
場所:
京都産業大学・第一研究棟
講演募集:
9月末日(3つの入門講座あり)
連絡先:
〒603 京都市北区上加茂本山
京都産業大学理学部 八杉満利子
e-mail:yasugi@cc.kyoto-su.ac.jp
fax:075-705-1799
詳細:
http://www/jaist.ac.jp/is/labs/ono-ishihara-lab/jaist-logic-j.html
又は
http://www.kyoto-su.ac.jp/people/teacher/yasugi/index-j.html

(2)実函数論分科会

1996年度実解析セミナー

期間:
11月1日(金)〜 3日(日)
場所:
大分大学教育学部
問い合わせ先:
〒870ー11 大分市大字旦野 700
大分大学教育学部数学教室
北 広男
電話 0975ー#5#4ー#7#5#7#0

(3) 統計数学分科会

統計数学分科会総会についてのお知らせ

 秋季総合分科会第2日(9月15日(日))第VIII会場にて,午前の部の講演終了後,統計数学分科会総会を開催いたしますので,ご参集下さい.

議題:
次期評議員選挙について
その他

(4) 九州支部

日本数学会九州支部例会のお知らせ

日時:
1996年10月19日(土)
(10:00〜予定)
場所:
鹿児島大学理学部
講演申込締切日:
1996年9月20日(金)
講演申込先:
〒890 鹿児島市郡元1ー21ー35
鹿児島大学理学部数学教室
厚見 寅司
(「講演申込」と朱記して下さい.)
連絡先:
TEL 099ー#2#8#5ー#8#0#3#3
FAX 099ー#2#8#5ー#8#0#5#1
e-mail atsumi@sci.kagoshima-u.ac.jp
(九州支部評議員:厚見寅司,草野尚,小西貞則 記)

10.日本学術会議第17期会員選出日程

 標記の件について,会報81号で日本学術会議の日程をお知らせ致しましたが,日本数学会では以下のような手順で会員の候補者の選定を行います.

第17期会員候補者選定手順

1996年11月:
「第17期日本学術会議会員候補者推薦について」,「日本数学会推薦学術会議会員候補者選定要領」を会報83号で公示.
日本数学会評議員,日本数学会会員の数研連委員に対して「第17期会員推薦選出投票(第1回)」を依頼.
あわせて,全会員に対しても会員候補者の募集を行う.
1996年12月:
上記予備選挙の結果に基づき,全会員に対して,「日本学術会議第17期会員推薦候補者選挙投票用紙」発送.
1997年1月:
理事会において,日本学術会議第17期会員推薦候補者を決定.

11.国際交流委員会

 国際交流委員会は来日数学者に対して講演の援助をしております. 条件は

  1. 文部省,学振,科研費のいずれかよりの援助のないもの.
  2. 1会計年度に来日数学者1人1回に限る.
  3. 同一年度に複数回申請し1回目が採択された場合は2回目以降は不利になる.
  4. 援助を受けた場合には講演終了後の記録をワープロで作成して提出する.
    申請にあたっては以下の項目をかいて,日本数学会事務局に提出して下さい.
    1. 講演の氏名,所属,職名,年齢
    2. 滞在期間
    3. 渡航費,滞在費の出所
    4. 援助を必要とする理由
    5. 講演予定日時,場所,題目
    6. 世話人の氏名,所属,連絡先,電話番号,fax, e-mail
    7. 振込先銀行名,支店名,口座番号,名義人氏名(フリガナIU!K
    8. 講演者についての紹介.

(国際交流委員会委員長 小谷眞一)

12.広報委員会

 日本数学会広報委員会では,高校生を対象として数学を語り合う広場『サロン・ド・すーがく』を開催しています. 今年は福岡女子高等学校で行いました. そのときの広報は下記の通りです.このような催しについて,御意見,提案などありましたら,広報委員会あてお知らせ下さい.

『サロン・ド・すーがく』

 数学には「する」楽しみ,「聞く」楽しみ,そして「語る」楽しみがあります. 日本数学会の広報活動の一環である『サロン・ド・すーがく』は数学について語り合う広場です. 今回は,福島県高等学校教育研究会数学部会(会長 川村紀夫 安達高等学校長)のご協力のもとに福島女子高等学校を会場として開催することになりました. 知的でちょっと「おしゃれな」数楽を経験してみませんか. 初心者歓迎. 難問・奇問・質問大歓迎.

日時:
'96年7月20日(土)午前10:30より2時間
内容:
講師からの話題提起に従い,参加者からの質問も含めて,数学について語り合います.
会場:
福島女子高等学校
交通:
JR福島駅から約2Km
対象:
高校生(学年は問わない)
参加費:
無料
参加連絡先:
福島女子高校 松浦哲雄
TEL 0245-35-3395
問合せ先:
名古屋大学大学院多元数理
TEL 052-789-2823 大沢健夫
筑波大学 数学系
TEL 0298-53-4387 渡辺公夫

13.数学通信投稿欄について

 「数学通信」創刊号の目的は,数学会理事会,評議員会,各種委員会の活動を全会員に伝達することと同時に,各会員の意見を表明する場のひとつを提供することにありました. もちろん,各会員は直接会って話す,手紙,電話,FAX,e-mail等々の手段により,お互いに様々な問題について意見交換を行っています. そのような意見交換を通して得た,ぜひともこれは全会員に対して表明したいということがらもあると思います.
 そこで本号から「編集委員会への手紙」という投稿欄を作りました. 数学全体に関する数学会会員の意見を歓迎します. ふるって投稿をお願いします.
(理事長記)

14.第1種・第2種外国会員に対する「数学通信」の送付について

 5月に創刊された数学通信は在外正会員,外国会員の方々にも送られています. ただし,第1種,第3種外国会員には,年会,秋季総合分科会プログラムが掲載される号のみ送られます.

15.雑誌‘数学'及び欧文誌‘ジャーナル' のバックナンバーの在庫処分について

 1995年に行った雑誌‘数学’および欧文誌‘ジャーナル’の40巻,41巻および42巻の在庫処分に引き続き,このたび43巻の在庫処分を行うことにいたしました.

  1. 43巻1号から 43巻4号(1991年10月発行)までの雑誌を対象とします.
  2. バックナンバー御希望の方は,必ず葉書で,‘数学’‘ジャーナル’の区別を明記の上,m巻n号と,希望される雑誌の番号を一覧表にしてお申し込み下さい. 電話による申し込みは御遠慮下さい. なおこの件に関する問合せも書面にてお願いいたします.
  3. 事務局から郵送する雑誌の宛先を明記して下さい.
  4. お申し込みのあった雑誌は,在庫のあるものについては先着順にお送りいたします.
  5. 1冊あたりの価格は‘数学’は一律 500円,‘ジャーナル’は一律 1000円といたします. また郵送料は実費を負担していただきます. 雑誌発送時に振込用紙を同封いたします.
  6. 申し込みの締切日は 1996年10月31日といたします.
  7. 1996年11月1日以降に,残部は全て廃棄いたします.

16.会費払い込みのお願い

 日頃は会費の払い込みにご協力頂きまして,誠にありがとうございます.
 この度も,下記の通り宜しくお願い致します.

なお,

┌──────────────────┐
│1996年度前期会費 9,000円           │
│  学割・高齢(70歳以上)6,000円   │
│1996年度後期会費 9,000円           │
│  学割・高齢(70歳以上)6,000円   │
└──────────────────┘