出版賞 受賞式 2014年度年会

日時: 2014年3月15日(土) 15:00〜15:20
会場: 学習院大学 西5号館 201

出版賞 受賞者

結城浩

受賞理由

「数学ガール」シリーズは、フェルマーの定理、ガロア理論、ゲーデルの不完全性定理といった、一般の読者にはなじみがないが、数学的には深くおもしろい題材を正面から扱いながら、青春小説としても魅力ある話としてまとめられており、多くの読者を獲得している。「数学ガール」という言葉は、本書によって社会に広まり、広く市民権を獲得するに至った。このことは特筆に値する。また結城氏は「数学文章作法基礎編」などの数学に関連した著作活動も活発に行なわれており、若い世代へ数学のおもしろさや考え方を広めた功績は大きい。これからもますます活発に活動されることを期待している。


出版賞 受賞者

雑誌「現代数学」(現代数学社)

受賞理由

1968年に創刊され、その後「BASIC数学」「理系への数学」への名称変更を経て、再び「現代数学」の名称で刊行され続けている。数学のおもしろさを一般の読者によく理解できる形でつたえる雑誌として、40年以上奮闘し、連載記事もさまざまな形で単行本化されてきた。この雑誌が数学の普及に果たした役割を高く評価するとともに、創刊時の名称に戻った現在、さらなる飛躍を成し遂げられることを期待する。


出版賞 受賞者

金重明著『13歳の娘に語るガロアの数学』(岩波書店)

受賞理由

本書は13歳の娘に数学を解説する形をとりながら、ガロア理論の考え方を、数学に興味をもつ一般の人へ、多くの例を通して解説した良書である。著者は数学者ではなく、おもに歴史に題材をとる小説を著されており、和算をテーマにした小説もある。そのような著者が、ガロア理論の素晴らしさを学び、さらに歴史小説家としての経験も生かして執筆されたのが本書である。他にもガウスの平方剰余を扱った続編を刊行しておられるが、このような本は、数学を専門にしている人にはなかなか書けないかもしれない。著者のこれからの執筆活動にも期待する。



受賞者のことば

「数学通信」19巻2号
http://mathsoc.jp/publication/tushin/1902/2014pubprize.pdf